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どれくらい歩くのがよいか

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〽走り続けていなけりゃ 倒れちまう 自転車みたいな この命転がして 息はきれぎれ それでも走れ…「中島みゆき:断崖  -親愛なる者へ- より」

 私が大好きな中島みゆきの歌詞の一部です。生きることを自転車をこいで走ることに例えています。ここで自転車をこいで走るというのは、歩くことに置き換えることもできると思います。

 今日歩いて明日も歩く、そうして歩き続けることが健康につながります。歩くことをやめてしまってはすぐに衰えてしまうのが人間なのです。

 外来で「どのような運動をすればよいですか?」と問われた時に、私は「とりあえず歩きましょう。階段や坂道ではなく平地だけでも良いので歩くようにして下さい。」と答えます。そうすると、「1日に何歩くらい歩くのが良いですか?」と問い返されます。

 厚生労働省は「健康づくりのための運動基準2006~身体活動・運動・体力~報告書」で健康づくりのためには毎日8,000~10,000歩の歩行が目安であるとしています。

 1日10,000歩という目安は、歩数計の名称として数十年前にいわれるようになったことが始まりともいわれています。

 私達がよく口にする「万歩計®」は、昭和の東京オリンピックで健康や体力増進への関心が高まり、“1日1万歩運動”が推奨された時代に日本で製造販売された商品名です。アナログ時計のように円盤上を長針が1,000歩、短針が10,000歩で360度回転することで、最大9,999歩まで表示でき、アナログ時計と同じでそれ以上は0から再スタート表示となっていました。確かに10,000歩を目標に歩こうかなと思います。

 歩くことで得られる健康効果として、1日当たりの歩数の分かり易い目安は、大きくに3つに分かれます。

 2,000歩:毎日2,000歩ほど歩くと、寝たきりの予防につながります。

 5,000歩:毎日5,000歩ほど歩くと、要支援・要介護状態の予防につながります。

 8,000歩:毎日8,000歩ほど継続的に歩くことで、高血圧や糖尿病などの生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防をすることができます。1日8,000歩以上を目標に歩くことで死亡率が低くなり、健康寿命を延ばすことや健康維持につながるという研究結果が実際に報告されています。

 今ではスマートフォンでも日毎の歩数を数えられるようになりました。私は毎年フルマラソンに参加するようにしていますが、フルマラソンに出場した日の歩数はおよそ50,000歩+αです。毎日8,000歩だと、1週間でその歩数を超えてしまうのですね。

 当院ではスタッフ一同、力を合わせて皆様が歩き続けるために何をするべきか、ご一緒に考えさせていただきたいと思っております。

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