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指 / 手 / 手首の痛み・お悩み

診察室

こんな症状はありませんか

  • 手がしびれる
  • 手首、指の腫れ、痛み
  • 指のひかかり
  • 手のこわばり

手根管症候群

症状初期には示指、中指がしびれ、痛みがでますが、最終的には母指(親指)から環指の母指側の3本半の指がしびれます(正中神経の支配領域)。急性期には、このしびれ、痛みは明け方に強く、目を覚ますと手がしびれ、痛みます。手を振ったり、指を曲げ伸ばしするとしびれ、痛みは楽になります。手のこわばり感もあります。ひどくなると母指の付け根(母指球)がやせて母指と示指できれいな丸(OKサイン)ができなくなります。縫い物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。
原因
特発性というものが多く、原因不明とされています。妊娠・出産期や更年期の女性が多く生じるのが特徴です。そのほか、骨折などのケガ、仕事やスポーツでの手の使いすぎ、透析をしている人などに生じます。腫瘍や腫瘤などの出来物でも手根管症候群になることがあります。
診断手首(手関節)を直角に曲げて手の甲をあわせて保持し、1分間以内にしびれ、痛みが悪化するかどうかを見ます(誘発テスト)。症状が悪化する場合はファレンテスト陽性といいます。母指球の筋力低下や筋萎縮を診ます。補助検査として、電気を用いた筋電図検査を行います。手根管をはさんだ正中神経の伝導速度を測定します。腫瘤が疑われるものでは、エコーやMRIなどの検査が必要になります。
予防と治療消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、塗布薬、運動や仕事の軽減などやシーネ固定などの局所の安静、腱鞘炎を治めるための手根管内腱鞘内注射などの保存的療法が行われます。
難治性のものや母指球筋のやせたもの、腫瘤のあるものなどは手術が必要になります。

キーンベック病

症状月状骨がつぶれて扁平化する病気をキーンベック病といいます。
月状骨は手首(手関節)に8つある手根骨の1つでほぼ中央に位置します。月状骨は、周囲がほぼ軟骨に囲まれており血行が乏しいため、血流障害になり壊死しやすい骨の1つです。
手を使った後、手首に痛みと腫脹が見られます。握力が低下し、手首の動きが悪くなります。
原因原因は不明です。職業的には手を良く使う青壮年の男性に多く見られます。明らかな外傷や職歴のない女性、高齢者にもみられることがあります。一説には月状骨の小さな不顕性骨折(はっきりしない骨折)が原因とも考えられています。
診断手を使った後、手首に痛みと腫脹、握力の低下、運動制限などの症状に加えて手背の中央に押して痛い(圧痛)ところが存在します。X線検査で月状骨に輝度変化が生じていたり、変形が生じていれば診断がつきます。MRI検査をすれば、より詳しい状況がわかります。
予防と治療症状、年齢などによって治療が変わります。
初期や疼痛が強いときには安静やギプス、装具による固定が行われます。
治らない場合、月状骨にかかる力を減らすために橈骨短縮骨切り術、骨移植(遊離や血管柄付きなど)等の手術が行われます。
末期では壊死した月状骨を摘出、腱球挿入(腱を丸めてスペーサーとして利用)する方法等が行われます。

腱鞘炎(ドケルバン病)

症状
手首(手関節)の親指側にある腱鞘(手背第一コンパートメント)とそこを通過する腱に炎症が起こった状態で、腱の動きがスムーズでなくなり、手首の親指側が痛み、腫れます。親指を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。
原因妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
親指の使いすぎによる負荷のため、腱鞘が肥厚したり、腱の表面が傷んだりして、さらにそれが刺激し、悪循環が生じると考えられています。
診断腫脹や圧痛があり、親指と一緒に手首を小指側に曲げると痛みがいっそう強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト変法)。
確定には小指側に牽引したときに痛みが強くなることで診断します(フィンケルシュタインテスト)。
予防と治療局所の安静、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法を行います。
改善しない・再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。

ガングリオン

症状ガングリオンはなかにゼリー状の物質の詰まった腫瘤です。典型的なものは手関節背側(甲側)に生じるガングリオンです。これは手関節の関節包(関節を包むふくろ)に繋がっています。その他のガングリオンのできやすい場所としては、手首の母指(親指)側の掌側の関節包やばね指の生じる指の付け根の掌側の腱鞘のあるところです。
関節の周辺や腱鞘のある場所に米粒大からピンポン玉大の腫瘤ができます。軟らかいものから硬いものまであります。通常は無症状なことが多いのですが、時々、神経のそばにできると神経を圧迫して、しびれや痛み、運動麻痺などを起こします。手を使いすぎると腫瘤は大きくなることがあります。
原因ガングリオンは関節包や腱鞘の部分から発生します。若い女性に多く見られますが、必ずしも手を良く使う人に見られるわけではありません。
関節液や腱と腱鞘(腱の周りにある浮き上がり防止の鞘、ベルト通し様)の潤滑油である滑液がガングリオンの袋に送られ、濃縮してゼリー状になります。関節や腱鞘に生じるものは、関節や腱鞘に繋がっています。特に関節からできるものは、関節包に繋がる長い茎で繋がっていることがほとんどです。そのほかにも、ガングリオンは身体中の至る所に生じます。骨や筋肉、神経に出来るガングリオンもあります。これらは粘液変性したものが融合して生じると考えられています
診断腫瘤があり、注射針を刺してゼリー状の内容物が吸引できればガングリオンと診断できます。なかには外側から触れない小さなガングリオンもあります。そのような場合は診断がつきにくいので、MRIや超音波検査をして診断します。手関節の痛みがいつまでも続くオカルトガングリオン(不顕性のガングリオン)もその一つです。
予防と治療ガングリオンは腫瘤のみで無症状の場合心配ありませんが、大きくなるもの、痛みが強いもの、神経が圧迫されて神経症状があるもの(痛みや運動障害など)は治療が必要になります。
保存的療法としては、ガングリオンに注射針を刺して注射器で吸引し内容物を排出します。何回か吸引排出する治療を行ううちに治ることもあります。ガングリオンに力を加えて押し潰す治療法もあります。それでも繰り返し内容物が溜まるようなら、手術を行います。手術をしても再発する可能性もあります。
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