ハイドロリリース外来
近年超音波(エコー)検査機器が進歩し、安全に深い筋肉に注射することが可能になりました。
今までは表層の筋肉内にしかできなかったトリガーポイント注射やブロック注射が、エコー下ではさらに深層の筋肉や神経血管なども標的にできるようなり、その治療効果も格段に向上しています。
深層の筋肉の表面に薬液が広がる像が筋膜を剥離しているように見えたことから当初は筋膜リリースという呼び方が広まりましたが、現在では主に生理食塩水を注射することからハイドロリリースと呼ばれることが多くなっています。
筋膜リリース注射(ハイドロリリース注射)
生理食塩水と少量の局所麻酔薬を筋層間に入れると、筋肉が動き易くなり、動くことで血流が改善し、さらに筋緊張が緩み、筋肉痛が一時的に軽快するのです。
同時に筋層間に神経や血管が走っていれば、緊張した筋肉に絞扼され障害されていた神経も一旦解放されるためさらに疼痛の軽減につながります。
しかし、その効果は持続せず範囲も限定的なため、自身でのストレッチや全身運動など、また漢方薬や血流改善効果のあるビタミン剤、さらには筋弛緩剤や鍼灸なども併せて治療していくことが必要です。
当院では、肩こりや腰痛だけでなく、頚椎症や腰部脊柱管狭窄症また手根管症候群など、しびれを主体とする絞扼性の神経障害に対しても筋膜リリースを行うことにより、従来の治療法では効果のあがりにくかった症状に対しても積極的に治療しています。